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2009/05/10
ペネロペ ルーブルびじゅつかんにいく~ルーブル美術館への誘い
『ペネロペ るーぶるびじゅつかんにいく』(アン・グットマン作,ゲオルグ・ハレンスレーベン絵,ひがしかずこ訳,岩崎書店,2009)は,子ども向け美術館紹介の本では,出色の出来と思う優れものの「しかけ絵本」です。自称「しかけ絵本マニア」としての私が見ても,かなりよくできた絵本だと思います。
まず,ペネロペというチャラクターが非常におもしろく,青い顔と体をして,何だかとても「ひ弱そう」なのですが,かなりの「いたずらっこ」なのです。表紙にあるように,モナリザにだっこされて気持ちよさそうにしているキャラクターを私は初めて見ました。
この絵本は,おじいちゃんと2人でルーブル美術館へ行くというお話です。「おじいちゃん」というところがミソです。「お父さん」や「お母さん」ではない。きっと,お父さんとお母さんから「ペネロペを預かって」と言われたのかもしれません。それでも,おじいちゃんはデジカメを持って,いたずらっ子のペネロペにつき合ってルーブルの作品を見ていくことになります。
例の「ガラスのピラミッド」から,ペネロぺとおじいちゃんは並んで美術館に入ります。すると,ペネロペは早速いたずら開始。
『サモトラケのニケ』にぴょんとのぼって(このぴょん,というあたりの動きの仕掛けが非常にすばらしい!)「顔」になってみたり,『大スフィンクス』をすべり台にして転がってみたり(この滑り落ちるしかけも最高!),『書記座像』に「わたしのペンかしてあげるね」とわたしてあげる場面は何とも言えない素敵な場面です。
一番私が気に入ったのは,人だかりでいっぱいの『モナリザ』の前で,おじいちゃんが肩車をしてくれる場面です。我々読者はここまでは「おじいちゃんからの視点」で物語に参加しているわけですが,ここだけは「ペネロペ」の視点でモナリザをみることになります。
そして,最後におじいちゃんのデジカメを使って振り返る場面では,それまではおじいちゃんの姿はほとんど絵の中に登場していなのですが,ここではちゃんと写っていて,デジカメの液晶画面の中で顔が分かるわけです。何という凝った仕掛けでしょう!まるで『ラス・メニーナス』を思い起こさせるような,そんな演出が最後に用意されていて,絵本の世界に,つまり,「ルーブル美術館の世界」に入り込んでしまったような不思議な感覚を味わうことができるわけです。
よくある子ども向け美術館紹介の本の中でも,群を抜いたおもしろさがある,この『ペネロペ るーぶるびじゅつかんにいく』。ぜひ書店で手にとって見てみて下さい。必ず「欲しく」なりますよ!
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